時を刻む木製レコード針『MORITA』を取材しました

但馬の地域情報雑誌『T2』では、但馬が誇る企業の現場に密着した
お届け!職レポ隊コーナーがあります。

今回は兵庫県美方郡新温泉町芦屋にある日本精機宝石工業株式会社様へ。
世界でも稀な”木製”のレコード針を開発した
熟練職人・森田さんについて取材してきました。

最初に社長の仲川さんからレコード針の歴史と
製作過程のお話をお伺いした後、浜坂レコード針『MORITA』の製造現場へ。

浜坂レコード針『MORITA』は、職人の森田さんの名前を取って命名されました。
その森田さんが在席する日本精機宝石工業株式会社では、現在およそ2,000種類
(約30メーカーに対応)のレコード針モデルがありその全てを1本単位で一貫生産しています。

祖父の家を思い出す、しんっと静かな懐かしい部屋に入ると
木の匂いや石油ストーブのような香りと温かさのある空間に森田さんの姿が。

 

細やかな作業を黙々と進める職人(森田さん)を見ていると
思わず食い入って撮影の手も止めてしまいそうです。

作業机には『MORITA』に使用されている加工前の黒柿(柿の木)が並んでおり
それをそっと手に取って機械の所まで移動させ加工していくと
目も細めたくなる繊細な針に変わっていきました。

スーッと素材を削っているように見えても、実際には
繊細な針先を折らずに加工していくのは技量と素材の特性
かなりの集中力を要するのだろうとドキドキしながら見学させていただきました。

細く鋭いレコード針『MORITA』は、
厳しい冬場の積雪にも耐えるこの土地の静かで粘り強い風土と、
しんっと鎮まった空間で黙々と作業する職人の寡黙な気配を
纏っているように感じました。

この取材をきっかけにレコード機についてもっと知りたくなりました。
皆さんもこの機会にぜひレコード機の奏でる音色を聴いてみてください。

今回の取材のもっと詳しい内容は、今年6月発行予定の「T2」夏号
お届け!職レポ隊コーナーをご覧ください!お楽しみに!

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