明治45年(1912)、豊岡市但東町佐々木に生まれ、教師として但馬で教育に一生を捧げた東井義雄。昭和32年(1957)に「村を育てる学力」という タイトルで出版された東井義雄の実践記録は全国的に大きな反響を呼びました。ペスタロッチ賞をはじめ、平和文化賞、小砂丘忠義賞、文部省教育功労賞など 数々の賞を受賞した東井義雄の記念館が但東総合支所に隣接しています。著書をはじめ、蔵書など3,850冊や、ビデオ、遺品などをまとめた蔵書室、少年期 から晩年まで、生涯をたどる展示室があります。
ただひたすら、「いのちの教育」への探求にその生涯を尽くした東井義雄。
戦時から戦後へ、農業国から工業立国へ、そして貧しさから豊かさへ…
どんなに世の中が変わろうとも「教育の原点」は何であるかを示しています。
今なお、語り続けられる実践的な東井教育の真髄と、
79年の生涯を振り返る映像制作を進めております。
今回の撮影は、校長時代に指導を受けた先生や、最後の教え子の当時の思い出や
エピソードをインタビューさせて頂きました。
インタビューを聞いていて、東井先生は一人一人観察して日誌交換などをされて、
その人の良いところを探し伸ばされていたのだなと感じました。
卒業時に東井校長から一人一人に贈られた色紙の言葉を
今でも大切に保管されている西村徹先生は、
人生観、教育観に大きな影響を受けまられました。
「自分をつくっていくということは一秒一分でも
だいじにすることだ」という西村さんの言葉に対して
あすがある
あさってがあると考えている間は
なんにもありはしない
かんじんの
「いま」さえないんだから
東井義雄
同級生に会うとみな口を揃えて、なぜ東井先生は自分たちが子どもの頃に
こんなにぴったりした言葉を贈ってくださったのか不思議だと・・・
その眼力に感服されていました。
子どもの未来を信じ、子どものいのちの根に光をあてる。
温かく優しい教育は永遠に消える事はないでしょう。